アレクチニブ塩酸塩
- 429 その他の腫瘍用薬
改訂箇所
[5.効能又は効果に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法〉
十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いること。
注)承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
本剤の術前補助療法における安全性及び有効性は確立していない。
改訂箇所
[5.効能又は効果に関連する注意] |
追記 |
改訂内容
術後補助療法として本剤を投与する場合には、臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
改訂箇所
[6.用法及び用量] |
追記 |
改訂内容
〈ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法〉
通常、成人にはアレクチニブとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。ただし、投与期間は24カ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
新設 |
改訂内容
〈ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫〉
副作用により休薬する場合、回復後は休薬前と同一用量で投与を再開できる。忍容性が得られない場合は、投与を中止すること。
〈ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法〉
副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、休薬、減量又は中止すること。
減量の目安
減量レベル | 1回投与量 |
通常投与量 | 600mg |
1段階減量 | 450mg |
2段階減量 | 300mg |
3段階減量 | 投与中止 |
副作用発現時の用量調節基準
副作用 | 程度注) | 処置 |
間質性肺疾患 | 全Grade | 投与を中止する。 |
肝機能障害 | 総ビリルビンが基準値上限の2倍以下でALT又はASTが基準値上限の5倍を超える上昇 | ALT又はASTがベースライン又は基準値上限の3倍以下に回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量して投与再開できる。 |
総ビリルビンが基準値上限の2倍を超えALT又はASTが基準値上限の3倍を超える上昇 | 投与を中止する。 |
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
新設 |
改訂内容
副作用 | 程度注) | 処置 |
徐脈 | Grade 2又はGrade 3 | Grade 1以下又は心拍数が60回/分以上に回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量して投与再開できる。 |
Grade 4 | 投与を中止する。 | |
血中CK増加 | CKが基準値上限の5倍を超えた場合 | ベースライン又は基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量又は同一用量で投与再開できる。 |
CKが基準値上限の10倍を超えた場合 | ベースライン又は基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量して投与再開できる。 | |
溶血性貧血 | ヘモグロビン10g/dL未満 | ヘモグロビン10g/dL以上に回復するまで休薬する。回復後は1用量レベル減量して投与再開できる。 |
改訂箇所
[8.重要な基本的注意] |
追記 |
改訂内容
腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
改訂箇所
[9.3肝機能障害患者] |
追記 |
改訂内容
〈ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法〉
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者:
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。アレクチニブの血漿中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。
改訂箇所
[9.4生殖能を有する者] |
一部改訂 |
改訂内容
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
改訂箇所
[9.7小児等] |
一部改訂 |
改訂内容
〈ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法〉
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
改訂箇所
[10.相互作用] |
一部改訂 |
改訂内容
アレクチニブは、チトクロームP450(主にCYP3A4)によって代謝される。
改訂箇所
[10.相互作用] |
削除 |
改訂内容
また、in vitro試験においてP-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害が認められた。
改訂箇所
[10.2併用注意] |
一部改訂 |
改訂内容
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A阻害剤(イトラコナゾール等) | アレクチニブの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が高まるおそれがあることから、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | アレクチニブの代謝には主にCYP3A4が関与しているため、CYP3A阻害剤との併用により、アレクチニブの代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
CYP3A誘導剤(リファンピシン等) | アレクチニブの血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあることから、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | アレクチニブの代謝には主にCYP3A4が関与しているため、CYP3A誘導剤との併用により、アレクチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
改訂箇所
[11.1重大な副作用] |
追記 |
改訂内容
腎機能障害
改訂箇所
[11.2その他の副作用] |
一部改訂 |
改訂内容
発現部位 | 副 作 用 |
精神神経系 | 味覚障害、頭痛、末梢性ニューロパチー、不眠症、傾眠、浮動性めまい |
消化器 | 便秘、悪心、下痢、口内炎、嘔吐、腹痛、胃腸炎、歯周病、消化不良、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、口内乾燥 |
呼吸器 | 上気道感染、咳嗽、呼吸困難、気管支炎、肺炎、気胸 |
血 液 | 貧血、溶血性貧血、活性化部分トロンボプラスチン時間延長、リンパ球数減少、血小板数減少 |
皮 膚 | 発疹、皮膚乾燥、ざ瘡様皮膚炎、そう痒症、光線過敏性反応、湿疹、爪の障害、爪囲炎、乾癬、色素沈着障害、手掌・足底発赤知覚不全症候群、脱毛症 |
筋骨格系 | 血中CK増加、筋肉痛、関節痛、筋痙縮、筋力低下、四肢痛、背部痛 |
肝 臓 | AST増加、高ビリルビン血症、ALT増加、血中Al-P増加、LDH増加、γ-GTP増加、硬化性胆管炎 |
腎 臓 | 高クレアチニン血症、血尿、蛋白尿、尿路感染 |
眼 | 結膜炎、ドライアイ、霧視、麦粒腫、黄斑症 |
代 謝 | 高尿酸血症、高トリグリセリド血症、食欲減退、血中甲状腺刺激ホルモン増加、高カリウム血症、低マグネシウム血症、高血糖、高リン酸塩血症 |
その他 | 浮腫、倦怠感、疲労、無力症、体重増加、発熱、インフルエンザ様疾患、中耳炎、回転性めまい、腫脹、体重減少、膀胱炎、細菌性前立腺炎、腫瘍出血 |
改訂箇所
[11.2その他の副作用] |
削除 |
改訂内容
発現部位 | 副 作 用 |
呼吸器 | 肺感染 |
腎 臓 | 腎機能障害 |
改訂箇所
[15.2非臨床試験に基づく情報] |
削除 |
改訂内容
ラットを用いた反復投与毒性試験において、切歯への影響(白色化及び短縮)並びに大腿骨及び胸骨への影響(活性化破骨細胞の増加及び骨梁の減少)が認められたが、臨床推奨用量での曝露量の1.9倍相当では認められなかった。
<参考> | 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂 |
---|