プロポフォール(キット)
- 111 全身麻酔剤
改訂箇所
[6.用法及び用量] |
一部改訂 |
改訂内容
〈全身麻酔の導入及び維持〉
[TCI機能を用いない投与方法]
導入:
通常、成人には本剤を0.05mL/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速度で、患者の全身状態を観察しながら、就眠が得られるまで静脈内に投与する。なお、ASAⅢ及びⅣの患者には、より緩徐に投与する。
通常、成人には本剤0.20~0.25mL/kg(プロポフォールとして2.0~2.5mg/kg)で就眠が得られる。高齢者においては、より少量で就眠が得られる場合がある。就眠後は必要に応じて適宜追加投与する。
維持:
通常、酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスと併用し、本剤を静脈内に投与する。適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節する。通常、成人には、本剤0.4~1.0mL/kg/時(プロポフォールとして4~10mg/kg/時)の投与速度で適切な麻酔深度が得られる。
また、鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤、局所麻酔剤等)を併用すること。
なお、局所麻酔剤併用時には通常より低用量で適切な麻酔深度が得られる。
[TCI機能を用いる投与方法]
導入:
通常、成人にはプロポフォールの目標血中濃度3.0μg/mLで静脈内に投与を開始し、投与開始3分後に就眠が得られない場合には1分毎に1.0~2.0μg/mLずつ目標血中濃度を上げる。
通常、目標血中濃度3.0~6.0μg/mL、投与開始後1~3分で就眠が得られる。
高齢者、ASAⅢ及びⅣの患者には、より低い目標血中濃度で投与を開始すること。
維持:
通常、酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスと併用し、本剤を静脈内に投与する。適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、目標血中濃度を調節する。 通常、成人には、目標血中濃度2.0~5.0μg/mLで適切な麻酔深度が得られる。
また、鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤、局所麻酔剤等)を併用すること。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈全身麻酔の導入及び維持〉
1%ディプリバン注-キット(プレフィルドシリンジ)は、投与速度(mL/kg/時(プロポフォールとしてmg/kg/時))の変更により麻酔深度を調節する投与方法と、プロポフォールの目標血中濃度(μg/mL)の変更により麻酔深度を調節するTCI(Target Controlled Infusion)機能を用いる投与方法で投与することができる。TCI機能を用いて投与する場合、Marshモデルが組込まれた市販のシリンジポンプを使用すること。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
TCI機能は、プレフィルドシリンジからの本剤の投与を記憶し、これを基に逐次血中濃度計算を行い、投与速度を制御するので、血中濃度を正しく予測し、過量投与を防止するために、以下の点に注意すること。
本剤の投与開始後、TCI機能を用いる方法に切り替えて投与しないこと。
本剤を投与終了後数時間のうちに、TCI機能を用いて投与しないこと。
TCI機能を使用中にポンプの電源をオフにした患者に、TCI機能を用いて再投与しないこと。
TCI機能を用いて本剤を投与中の患者に、他の注入経路から本剤を投与しないこと。
[TCI機能を用いない投与方法]
維持における使用例
| 導入後の時間 | 0~10分 | 10~20分 | 20~30分 | 30分~ |
| 投与速度 | 1.0mL/kg/時(プロポフォールとして10mg/kg/時) | 0.8mL/kg/時(プロポフォールとして8mg/kg/時) | 0.6mL/kg/時(プロポフォールとして6mg/kg/時) | 全身状態をみながら調節する。 |
[TCI機能を用いる投与方法]
本剤の血中濃度は個体差が大きく、患者別の調節が必要であるため、TCI機能を用いる場合においても、設定した目標血中濃度のみに依存せず、一般の全身麻酔剤と同様に、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、麻酔技術に熟練した医師が、専任で患者の全身状態を注意深く監視し、患者の状態に応じて対応を行うこと。
使用例
| 時間 | 就眠まで | 就眠後 |
| 目標 血中濃度 | 3.0μg/mL (3分後に就眠が得られない場合1分毎に1.0~2.0μg/mLずつ目標血中濃度を上げる。) | 2.0~5.0μg/mL (全身状態を観察しながら適宜増減) |
〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉
TCI機能を用いる投与方法は使用しないこと。[TCI機能を用いる投与方法は、全身麻酔の導入及び維持における成人の臨床試験成績に基づいて設定されている。]
改訂箇所
[8.重要な基本的注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈全身麻酔の導入及び維持〉
TCI機能を用いて投与する際には、Marshモデルが組込まれた市販のシリンジポンプを使用すること。また、TCI機能に関する内容・注意事項及びポンプの使用方法(取扱説明書)に精通しておくこと。
改訂箇所
[9.7小児等] |
一部改訂 |
改訂内容
小児等にはTCI機能を用いる投与方法を使用しないこと。TCI機能を用いる投与方法は、全身麻酔の導入及び維持における成人の臨床試験成績に基づいて設定されている。
改訂箇所
[20.取扱い上の注意] |
一部改訂 |
改訂内容
MRI画像診断などの磁気の影響を受ける環境下において、本剤の識別タグの情報が消去され、TCI機能を用いた投与ができなくなるとの報告がある。
また、識別タグに水分が浸透することにより、識別タグの情報が認識されず、TCI機能を用いた投与ができなくなるとの報告がある。
| <参考> | 用法及び用量変更承認に伴う改訂 |
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