DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2025年4月 No.335

ミリキズマブ(遺伝子組換え)(点滴静注)

  • 239 その他の消化器官用薬

改訂箇所

[1.警告]

一部改訂

改訂内容

本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること。

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

追記

改訂内容

〈クローン病〉
過去の治療において、栄養療法及び他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。

改訂箇所

[6.用法及び用量]

追記

改訂内容

〈クローン病〉
通常、成人にはミリキズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。
また、ミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤による治療中に効果が減弱した場合には、1回900mgを4週間隔で3回点滴静注することができる。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

追記

改訂内容

〈クローン病〉
本剤の3回目投与の4週後にミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤の投与を開始すること(皮下投与用製剤による治療の用法及び用量は、ミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤の電子添文を参照すること)。本剤による治療開始から24週後までに効果が得られない場合には、投与継続の必要性を検討すること。

ミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤による治療中に効果が減弱し、再度の本剤の3回投与により治療効果が得られた場合には、3回目投与の4週後から皮下投与用製剤の投与を再開すること。再度の本剤の3回投与の4週後に治療効果が得られない場合は、本剤の投与を中止し、他の治療法への切替えを考慮すること。また、皮下投与用製剤による治療中に再び効果が減弱した場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。皮下投与用製剤による治療中の2回目以降の効果減弱時に、本剤を投与した場合の安全性及び有効性を評価する臨床試験は実施していない。

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

一部改訂

改訂内容

発現部位 副 作 用
感染症及び寄生虫症 上気道感染(急性副鼻腔炎、COVID-19、上咽頭炎、口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎、上気道感染、ウイルス性上気道感染)

改訂箇所

[14.適用上の注意]

一部改訂

改訂内容

[薬剤調製時の注意]
希釈液は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液のいずれかを用いること。本剤を他の電解質や薬剤と配合しないこと。効能ごとに以下の希釈方法に従って調製を行うこと。効能ごとに希釈方法及び液量が異なることに留意する。
(1)潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎患者に投与する場合、
本剤1バイアル(15mL、300mg)を用いる。本剤1バイアルから薬液15mLを注射針(18~21ゲージ推奨)を用いて抜き取り、50~250mLの希釈液の入った点滴静注用バッグ又はボトルに添加して希釈すること。
(2)クローン病
クローン病患者に投与する場合、本剤3バイアル(合計45mL、900mg)を用いる。100~250mLの希釈液の入った点滴静注用バッグ又はボトルからあらかじめ希釈液45mLを抜き取る。次に、本剤3バイアルから薬液15mLずつ、合計45mL(900mg)を注射針(18~21ゲージ推奨)を用いて抜き取り、希釈液の入った点滴静注用バッグ又はボトルに添加して希釈すること。

改訂箇所

[14.適用上の注意]

追記

改訂内容

[薬剤投与時の注意]
〈クローン病〉
本剤は、90分以上かけて点滴静注すること。

改訂箇所

[15.1臨床使用に基づく情報]

追記

改訂内容

免疫原性:
〈クローン病〉
ミリキズマブを12ヵ月間投与されたクローン病患者のうち、12.7%(79/622例)でミリキズマブに対する抗体が産生され、そのうち98.7%(78/79例)は中和抗体であった。日本人患者では、9.1%(1/11例)でミリキズマブに対する抗体が産生され、それは中和抗体であった。
抗ミリキズマブ抗体の発現状況と過敏症又は注射関連の有害事象との間に明確な関連は認められなかった。


悪性腫瘍発現頻度:
〈クローン病〉
クローン病患者を対象とした国際共同臨床試験(第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験)の併合解析の結果(例数:1178例、総曝露期間:2004.2人年)、本剤投与群の悪性腫瘍の発現率は0.2/100人年(発現割合:0.3%、4/1178例)であった。本剤投与群の悪性腫瘍の発現率は、クローン病患者で報告されている悪性腫瘍の発現率(0.27~1.49/100人年)の範囲内であった。本剤投与群の非黒色腫皮膚癌の発現率は0.0/100人年(発現割合:0.1%、1/1178例)であった。

<参考> 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂
企業報告
Wu,S.,et al.:Inflamm.Bowel Dis. 2023;29(3):384-395
So,J.,et al.:Inflamm.Bowel Dis. 2017;23(11):2061-2068

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