DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2025年3月 No.334

デクスメデトミジン塩酸塩(ジェネリック製品)

  • 112 催眠鎮静剤、抗不安剤

改訂箇所

[1.警告]

一部改訂

改訂内容

本剤の投与により低血圧、高血圧、徐脈、心室細動等があらわれ、心停止にいたるおそれがある。したがって、本剤は、患者の呼吸状態、循環動態等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設で、本剤の薬理作用を正しく理解し、集中治療又は非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師のみが使用すること。また、小児への投与に際しては、小児の集中治療に習熟した医師が使用すること。

改訂箇所

[6.用法及び用量]

一部改訂

改訂内容

〈集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静〉
通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2~0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。また、維持投与から開始することもできる。
通常、6歳以上の小児には、デクスメデトミジンを0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内へ持続注入し、患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、0.2~1.0μg/kg/時の範囲で持続注入する。
通常、修正在胎(在胎週数+出生後週数)45週以上6歳未満の小児には、デクスメデトミジンを0.2μg/kg/時の投与速度で静脈内へ持続注入し、患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、0.2~1.4μg/kg/時の範囲で持続注入する。
なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

一部改訂

改訂内容

〈効能共通〉
成人においては本剤の初期負荷投与中に一過性の血圧上昇があらわれた場合には、初期負荷投与速度の減速等を考慮すること。本剤の末梢血管収縮作用により一過性の血圧上昇があらわれることがある。

成人においては鎮静の維持開始速度は0.4μg/kg/時の速度を目安とし、初期負荷から維持への移行を慎重に行うこと。また、維持速度は0.7μg/kg/時を超えないこと。海外臨床試験において、0.7μg/kg/時を超えて投与した場合に呼吸器系、精神神経系及び心血管系の有害事象の発現率が増加することが報告されている。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

追記

改訂内容

〈集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静〉
小児において投与速度を上げる場合、上昇幅0.1μg/kg/時あたり3~4分あるいはそれ以上の時間で緩徐に調節すること。

小児においては初期負荷投与を行わないこと。海外臨床試験において、初期負荷投与を行った場合に、高血圧の発現率が増加することが報告されている。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

一部改訂

改訂内容

本剤は人工呼吸中、離脱過程及び離脱後を通じて投与可能であるが、本剤の持続投与期間が成人においては120時間(5日間)、小児においては24時間(1日間)を超える使用経験は少ないので、それを超えて鎮静が必要な場合には、患者の全身状態を引き続き慎重に観察すること。

改訂箇所

[9.7小児等]

追記

改訂内容

〈集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静〉
低出生体重児及び新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

小児への投与に際しては、小児の集中治療に習熟した医師が使用すること。小児では成人よりも低血圧、徐脈、呼吸抑制、嘔吐、悪心、激越及び発熱の有害事象が高頻度に認められた。特に心拍出量が心拍数に依存している低年齢の小児では徐脈の影響が大きいため、より注意深く観察し、慎重に投与すること。



 

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

一部改訂

改訂内容

発現部位 副 作 用
循環器 心房細動、頻脈、末梢性虚血、血管障害、血圧変動、心不全、心電図異常、 特異的心電図異常、高血圧悪化、心筋梗塞、不整脈、心室性不整脈、期外収縮、上室性頻脈、心室性頻脈、脳出血、血管拡張、脳血管障害、血管痙攣、循環不全、チアノーゼ、心疾患、狭心症、心筋虚血、心房性不整脈、AVブロック、脚ブロック、心ブロック、T波逆転、上室性不整脈、心電図QT延長、洞性不整脈

<参考> 用法及び用量追加承認に伴う改訂

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