DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2022年8月 No.310

カナグリフロジン水和物

  • 396 糖尿病用剤

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

追記

改訂内容

〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
eGFRが30mL/min/1.73㎡未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、新規に投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73㎡未満に低下した場合は、投与継続の必要性を慎重に判断すること。

「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

一部改訂

改訂内容

血糖コントロール改善を目的として使用する場合は、本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。

本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害患者においては経過を十分に観察し、腎機能障害の悪化に注意すること。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

追記

改訂内容

血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73㎡未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。

改訂箇所

[9.2腎機能障害患者]

一部改訂

改訂内容

高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者:
〈2型糖尿病〉
血糖コントロール改善を目的に投与しないこと。本剤の血糖低下作用が期待できない。
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
eGFRが30mL/min/1.73㎡未満の患者では新規に投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが30mL/min/1.73㎡未満に低下した場合は、投与継続の必要性を慎重に判断すること。本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性がある。また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある。

中等度腎機能障害患者:
〈2型糖尿病〉
投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の血糖低下作用が十分に得られない可能性がある。

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

一部改訂

改訂内容

発現部位 副 作 用
感染症および
寄生虫症
尿路感染、カンジダ性亀頭炎、膀胱炎、腟感染、外陰部腟カンジダ症、真菌性性器感染、外陰腟真菌感染、細菌尿、蜂巣炎、結膜炎、性器カンジダ症、口腔カンジダ症、歯周炎、肺炎、股部白癬、外陰部炎、外陰腟炎、カンジダ感染
血液および
リンパ系障害
赤血球増加症、貧血、白血球増加症
代謝および
栄養障害
無症候性低血糖、高カリウム血症、高尿酸血症、ケトーシス、食欲減退、水分過負荷、痛風、高血糖、低ナトリウム血症、血液量減少症、代謝性アシドーシス、多飲症
神経系障害 浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、脳血管発作、糖尿病性ニューロパチー、労作性めまい、味覚異常、末梢性ニューロパチー、失神
耳および
迷路障害
回転性めまい、耳鳴、突発性難聴
心臓障害 狭心症、不安定狭心症、心房細動、うっ血性心不全、冠動脈疾患、動悸、頻脈、心室性期外収縮、急性冠動脈症候群
血管障害 低血圧、起立性低血圧、高血圧
胃腸障害 便秘、腹部膨満、腹痛、下痢、口内乾燥、胃炎、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐、腹部不快感、上腹部痛、慢性胃炎、嚥下障害、痔核、過敏性腸症候群
皮膚および
皮下組織障害
湿疹、そう痒症、発疹、皮膚潰瘍、蕁麻疹、中毒性皮疹、接触皮膚炎、薬疹、全身性皮疹、皮膚病変、全身性そう痒症、糖尿病性足病変
筋骨格系および
結合組織障害
筋痙縮、背部痛、筋力低下
腎および
尿路障害
頻尿、排尿困難、緊張性膀胱、尿意切迫、夜間頻尿、多尿、糖尿病性腎症、腎機能障害、慢性腎臓病、急性腎障害、末期腎疾患、腎結石症、中毒性ネフロパシー、蛋白尿、尿失禁
生殖系および
乳房障害
亀頭包皮炎、陰部そう痒症、外陰腟そう痒症、良性前立腺肥大症、腟分泌物、勃起不全
一般・全身障害
および
投与部位の状態
疲労、空腹、倦怠感、末梢性浮腫、口渇、無力症、胸部不快感、悪寒、注射部位内出血
臨床検査 血中ケトン体増加、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、γ‒グルタミルトランスフェラーゼ増加、糸球体濾過率減少、尿中血陽性、体重減少、尿中ケトン体陽性、尿量増加、血中重炭酸塩減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、ヘマトクリット増加、赤血球数増加、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、肝酵素上昇

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

追記

改訂内容

発現部位 副 作 用
眼障害 糖尿病網膜症、網膜症
呼吸器、胸郭
および縦隔障害
呼吸困難、咳嗽
肝胆道系障害 肝機能異常
傷害、中毒
および
処置合併症
転倒、上腕骨骨折

改訂箇所

[15.1臨床使用に基づく情報]

一部改訂

改訂内容

海外で行われた脳・心血管疾患の既往又は高いリスクを有する、血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100又は300mgを1日1回投与された患者では、プラセボを投与された患者よりも、下肢切断の発現頻度が有意に高かった(ハザード比:1.97、95%信頼区間1.41-2.75)との報告がある。本剤の承認用量は100mg/日である。
国内及び海外で行われた2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象とした大規模臨床試験において、カナグリフロジンとして100mgを1日1回投与された患者での下肢切断の発現頻度のプラセボ群に対するハザード比(95%信頼区間)は、1.11(95%信頼区間0.79-1.56)であった。

<参考> 効能又は効果追加承認に伴う改訂

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