DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2022年4月 No.307

セルペルカチニブ

  • 429 その他の腫瘍用薬

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

追記

改訂内容

〈RET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺癌〉
十分な経験を有する病理医又は検査施設により、RET融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いること。

放射性ヨウ素による治療の適応となる患者においては、当該治療を優先すること。


〈RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌〉
十分な経験を有する病理医又は検査施設により、RET遺伝子変異が確認された患者に投与すること。生殖細胞系列のRET遺伝子変異が陰性又は不明の場合は、承認された体外診断用医薬品又は医療機器注)を用いて検査を行うこと。

「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。

注)承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

 

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

一部改訂

改訂内容

本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。

成人の場合 本剤の減量の目安

減量レベル 投与量
通常投与量 1回160mg 1日2回
1段階減量 1回120mg 1日2回
2段階減量 1回80mg 1日2回
3段階減量 1回40mg 1日2回

小児の場合 本剤の減量の目安
体表面積 減量レベル 投与量
1.2㎡未満 通常投与量 1回80mg 1日2回
1段階減量 1回40mg/1回80mg 1日2回
(1日量120mg)
2段階減量 1回40mg 1日2回
3段階減量注1) 1回40mg 1日1回
1.2㎡以上
1.6㎡未満
通常投与量 1回120mg 1日2回
1段階減量 1回80mg 1日2回
2段階減量 1回40mg/1回80mg 1日2回
(1日量120mg)
3段階減量注1) 1回40mg 1日1回
1.6㎡以上 通常投与量 1回160mg 1日2回
1段階減量 1回120mg 1日2回
2段階減量 1回80mg 1日2回
3段階減量 1回40mg 1日2回
注1)過敏症発現時のみ(過敏症以外で2段階減量において忍容性が得られない場合、投与中止)

副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用 程度2) 処置
過敏症(アナフィラキシー等の重篤な過敏症を除く) グレード1~4 回復するまで休薬し、副腎皮質ステロイドの全身投与を考慮する。回復後は副腎皮質ステロイドを併用しながら3段階減量して投与再開できる。再開後に7日以上再発しない場合には、1段階ずつ発現時の用量まで増量できる。増量後に7日以上再発しない場合には、副腎皮質ステロイドを漸減する。
間質性肺疾患 グレード2 回復するまで休薬し、回復後は1段階減量して投与再開できる。
グレード3又は4 中止する。
2)グレードはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

追記

改訂内容

間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部画像検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医療機関を受診するよう説明すること。

改訂箇所

[9.1合併症・既往歴等のある患者]

追記

改訂内容

間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者:
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。

改訂箇所

[9.4生殖能を有する者]

追記

改訂内容

成長期にある若年男性又は男児に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。幼若ラットにおいて、精巣の精上皮変性、精巣上体の精子枯渇、精子運動率低値、異常形態精子比率高値及び受胎能の低下が認められ、精巣及び精巣上体の所見に回復性は認められていない。

改訂箇所

[9.7小児等]

追記

改訂内容

〈効能共通〉
成長期にある若年者においては骨端線に異常がないか十分に観察すること。骨端線に異常が認められた場合には、投与継続の可否を慎重に判断すること。

〈RET融合遺伝子陽性の根治切除不能な甲状腺癌、RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様癌〉
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

改訂箇所

[11.1重大な副作用]

追記

改訂内容

間質性肺疾患

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

削除

改訂内容

発現部位 副 作 用
呼吸器 肺臓炎

改訂箇所

[15.2非臨床試験に基づく情報]

一部改訂

改訂内容

動物試験(成長板が閉鎖していない幼若ラット、若齢ラット及び若齢ミニブタ)において、本剤の反復投与により骨端成長板の異常(骨端軟骨の肥大、過形成及び異形成)がヒトに160mg1日2回の用量で投与したときの臨床曝露量よりも低い曝露量で認められている。また、幼若ラットにおいて、骨端成長板の変化に関連して、骨密度及び大腿骨長の低値が、ヒトに160mg1日2回の用量で投与したときの臨床曝露量のそれぞれ0.8倍及び1.9倍で認められている

<参考> 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂

戻る