ブレクスピプラゾール
- 117 精神神経用剤
改訂箇所
[5.効能又は効果に関連する注意] |
新設 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
本剤の併用は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等による適切な治療を複数回行っても、十分な効果が認められない場合に限り、本剤による副作用(アカシジア、遅発性ジスキネジア等の錐体外路症状)や他の治療も考慮した上で、その適否を慎重に判断すること。
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤を投与する場合には、リスクとベネフィットを考慮すること。
改訂箇所
[6.用法及び用量] |
追記 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
通常、成人にはブレクスピプラゾールとして1日1回1mgを経口投与する。なお、忍容性に問題がなく、十分な効果が認められない場合に限り、1日量2mgに増量することができる。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈統合失調症〉
本剤と中程度以上のCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び/又は中程度以上のCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合等には、本剤の血漿中濃度が上昇することから、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、以下の表を参考に用法及び用量の調節を行うこと。
(参考)
強いCYP2D6阻害剤又は強いCYP3A阻害剤のいずれかを併用 | 1回1mgを1日1回 |
中程度のCYP2D6阻害剤及び中程度のCYP3A阻害剤のいずれも併用 | |
CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者 | |
強いCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤のいずれも併用 | 1回1mgを2日に1回 又は 1回0.5mgを1日1回 |
強いCYP2D6阻害剤及び中程度のCYP3A阻害剤のいずれも併用 | |
中程度のCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤のいずれも併用 | |
CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者が中程度以上のCYP3A阻害剤を併用 |
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
追記 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
本剤は選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤又はミルタザピンと併用すること。[本剤単独投与での有効性は確認されていない。]
本剤投与による副作用(アカシジア、遅発性ジスキネジア等の錐体外路症状等)を考慮して、本剤の投与量及び投与期間は必要最小限とすること。
臨床試験における有効性及び安全性の結果を熟知した上で、本剤2mgへの増量の要否を慎重に判断すること。本剤2mgへの増量を考慮する場合には、本剤1mg投与開始後6週間を目処に本剤2mgへの増量の要否を検討すること。[臨床試験において、本剤1mg群と2mg群で有効性は同程度であり、本剤2mg群では本剤1mg群と比べアカシジア等の錐体外路症状の発現割合は高くなる傾向が示されている。]
本剤2mgへの増量後はより頻回に患者の症状を観察し、錐体外路症状等の副作用の発現に注意すること。副作用が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、増量後は、6週間を目処に本剤2mgの投与継続の要否を検討し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続しないこと。
本剤と中程度以上のCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び中程度以上のCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合等には、本剤の血漿中濃度が上昇することから、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、以下の表を参考に用法及び用量の調節を行うこと。
(参考)
1日1回1mgに相当する 用法及び用量 | 1日1回2mgに相当する 用法及び用量 | |
強いCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤のいずれも併用 | 1回0.5mgを2日に1回 | 1回1mgを2日に1回 又は 1回0.5mgを1日1回 |
強いCYP2D6阻害剤及び中程度のCYP3A阻害剤のいずれも併用 | ||
中程度のCYP2D6阻害剤及び強いCYP3A阻害剤のいずれも併用 | ||
CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者が中程度以上のCYP3A阻害剤を併用 |
改訂箇所
[8.重要な基本的注意] |
追記 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、これらの症状・行動を来した症例において、因果関係は明らかではないが、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、必要に応じて投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
改訂箇所
[9.1合併症・既往歴等のある患者] |
追記 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者:
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
脳の器質的障害のある患者:
精神症状を増悪させることがある。
衝動性が高い併存障害を有する患者:
精神症状を増悪させることがある。
改訂箇所
[10.2併用注意] |
一部改訂 |
改訂内容
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤(キニジン、パロキセチン等) | 本剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP2D6を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等) | 本剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
肝代謝酵素(特にCYP3A)誘導作用を有する薬剤(カルバマゼピン、リファンピシン等) | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
改訂箇所
[11.2その他の副作用] |
一部改訂 |
改訂内容
発現部位 | 副 作 用 |
精神神経系 | 不眠、頭痛、傾眠、激越、浮動性めまい、落ち着きのなさ、不安、悪夢、回転性めまい、体位性めまい、自殺念慮、精神病性障害、歯ぎしり、異常な夢、チック、無為、平衡障害、敵意、錯感覚、幻聴、耳鳴、睡眠障害、勃起不全、パニック障害、抜毛癖、頭部動揺、衝動行為、頭部不快感、鎮静、易刺激性、リビドー減退、気力低下、躁病、感情不安定、知覚変容発作、離人感、注意力障害、感覚鈍麻、失神、下肢静止不能症候群、起立不耐性 |
循環器 | 高血圧、心電図QT延長、起立性低血圧、徐脈、頻脈、不整脈、動悸、心室性期外収縮、第一度房室ブロック、右脚ブロック、心電図QRS群延長、低血圧、末梢循環不良 |
改訂箇所
[11.2その他の副作用] |
一部改訂 |
改訂内容
発現部位 | 副 作 用 |
消化器 | 悪心、便秘、食欲亢進、口内乾燥、食欲不振、下痢、嘔吐、消化不良、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、胃炎、排便回数増加、歯肉痛、歯肉腫脹、口唇乾燥、裂肛、過食、胃腸障害、口腔内不快感、唾液変性、口渇、嚥下障害 |
血 液 | 白血球増加症、貧血、APTT延長、血小板減少、血小板増加症、グリコヘモグロビン増加、ヘモグロビン低下、好中球減少症、好中球増多、総蛋白減少 |
内分泌 | 高プロラクチン血症、月経異常、高インスリン血症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、血中甲状腺刺激ホルモン減少、血中コルチコトロピン増加、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症、遊離サイロキシン減少、血中コルチコトロピン減少、遊離サイロキシン増加、低プロラクチン血症、性腺機能低下、乳汁分泌障害、血中インスリン異常 |
泌尿器 | 尿潜血陽性、尿閉、頻尿、蛋白尿、尿中ケトン体陽性、血中尿素増加 |
肝 臓 | 肝障害、AST上昇、ALT上昇、高ビリルビン血症、γ-GTP上昇、脂肪肝、肝酵素上昇、LDH上昇、ALP上昇 |
過敏症 | 発疹、そう痒症、紅斑、湿疹 |
皮 膚 | 皮膚炎、ざ瘡、逆むけ、皮膚乾燥、多汗症、寝汗 |
代謝異常 | CK上昇、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低リン血症、血中尿酸減少 |
呼吸器 | 気管支炎、咳嗽、鼻出血、息詰まり感、呼吸困難、口腔咽頭痛、副鼻腔うっ血、上咽頭炎 |
眼 | 霧視、眼乾燥、眼瞼痙攣、瞬目過多、流涙増加、結膜炎、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、羞明 |
その他 | 体重増加、倦怠感、疲労、体重減少、ほてり、筋肉痛、無力症、歩行障害、疼痛、不快感、背部痛、顎痛、筋攣縮、筋緊張、灼熱感、頚部痛、性器出血、非心臓性胸痛、四肢痛、関節硬直、カンジダ症、真菌感染、 筋力低下、悪寒、異常感、熱感、浮腫、異物感、体温調節障害 |
改訂箇所
[15.1臨床使用に基づく情報] |
追記 |
改訂内容
〈うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)〉
海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
<参考> | 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂 企業報告 Stone,M.,et al.:BMJ 2009;339:b2880 |
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