DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2024年1月 No.323

リバーロキサバン(普通錠2.5mg)

  • 333 血液凝固阻止剤

改訂箇所

[1.警告]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。硬膜外カテーテル留置中、若しくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。

改訂箇所

[2.禁忌]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
重度の腎障害(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)のある患者

改訂箇所

[6.用法及び用量]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
通常、体重20kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回、体重30kg以上50kg未満の小児には7.5mgを1日1回経口投与する。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
体重20kg未満の小児等に投与する場合は、リバーロキサバンドライシロップを使用すること。体重20kg以上50kg未満で本剤(錠剤)の服用が困難な小児等には、リバーロキサバンドライシロップを選択すること。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

一部改訂

改訂内容

〈効能共通〉
本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば、下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では本剤の投与後12時間以上、Fontan手術後患者では本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価すること。本剤の投与は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。

下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者で服用を忘れた場合は、忘れた分は服用せず、次の服用時刻に再開するよう指導すること。
Fontan手術後患者では、1日1回投与時に服用を忘れた場合は、同日中であれば直ちに本剤を服用し、同日の服用ができない場合は、一度に2回分を服用せず、次の服用時刻に1回分を服用するよう指導すること。1日2回投与時に1回目の服用を忘れた場合は、直ちに本剤を服用するか、2回目に2回分を服用させてもよい。2回目の服用を忘れた場合は、同日であれば直ちに服用するよう指導すること。翌日からは決められた1日1回又は2回の服用を行うよう指導すること。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
Fontan手術後患者においてはFontan循環に起因する多様かつ進行性の臓器障害を生じうることから、症例ごとの血栓塞栓症の発症リスク並びに出血リスクに加え、肝機能、腎機能、合併症等の患者の状態を十分に観察し、継続投与の可否を慎重に判断すること。

小児の抗凝固薬療法に精通した医師あるいはその指導のもとで治療を行うこと。

改訂箇所

[9.2腎機能障害患者]

一部改訂

改訂内容

重度の腎障害のある患者:
〈下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制〉
本剤投与の適否を慎重に検討すること。クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。
〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
投与しないこと。Fontan手術後患者を対象とした臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73㎡未満の患者は除外されている。


中等度の腎障害のある患者:
本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児ではeGFRが30~60mL/min/1.73㎡の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。

改訂箇所

[9.7小児等]

追記

改訂内容

〈Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制〉
2歳未満及び9歳以上の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

改訂箇所

[10.2併用注意]

一部改訂

改訂内容

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血小板凝集抑制作用を有する薬剤[抗血小板剤(アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩等)、非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(ナプロキセン、ジクロフェナクナトリウム等)] 出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。
下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では特に本剤と抗血小板剤との併用時における非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤の長期使用については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。
Fontan手術後患者では投与中は観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾール、ホスフルコナゾール 本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
Fontan手術後患者では治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシン、エリスロマイシン 本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
Fontan手術後患者では治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。

改訂箇所

[13.過量投与]

一部改訂

改訂内容

[処置]
吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること。出血が認められる場合は、以下の処置を行うこと。
・適宜、次回の投与を延期するか中止すること。消失半減期は成人で5~13時間、小児等で1~4時間である。
・症例ごとの出血の重症度及び部位に応じた出血に対する処置を講じること。
・機械的圧迫(高度の鼻出血等)、出血管理のための外科的止血、補液及び血行動態の管理、血液製剤(合併する貧血又は凝固障害に応じて濃厚赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸注を行う)又は血小板輸血等の適切な対症療法の開始を考慮すること。
タンパク結合率が高いので、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。

<参考> 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂

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