DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2024年1月 No.323

ソマトロピン(遺伝子組換え)(プラダー・ウィリ症候群における体組成異常の効能を有する製剤)

  • 241 脳下垂体ホルモン剤

改訂箇所

[2.禁忌]

一部改訂

改訂内容

〈プラダー・ウィリ症候群における体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長
高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある小児患者

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

一部改訂

改訂内容

〈プラダー・ウィリ症候群における体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長〉
[適用基準]
遺伝学的検査によりプラダー・ウィリ症候群と確定診断された者

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

削除

改訂内容

[治療継続基準]
1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。
・成長速度≧4cm/年
・治療中1年間の成長速度と、投与前1年間の成長速度の差が1.0cm/年以上の場合。
・治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合。
 2年目≧2cm/年
 3年目以降≧1cm/年
ただし、以上のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは投与を中止すること。

改訂箇所

[6.用法及び用量]

一部改訂

改訂内容

効能・効果 用法・用量
プラダー・ウィリ症候群における体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長 通常、小児には、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.245mgを6~7回に分けて皮下に注射する。
通常、成人には、開始用量として、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.042mgを6~7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgまで増量する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1.6mgを超えないこと。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

追記

改訂内容

〈プラダー・ウィリ症候群における体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長〉
小児では、1年ごとに成長速度を判定し、成長速度≧1cm/年を満たさないとき、又は骨年齢が男17歳、女15歳以上に達したときは、1週間に体重kg当たり0.084mgに減量する等により、成人用量へ移行すること。

成人における本剤の投与量は、血清IGF-I濃度を参照して調整すること。血清IGF-I濃度は投与開始4週間後及び12週間後に1回、それ以降は12週から26週に1回の測定を目安とすること。また、副作用の発現等の際は、適宜、血清IGF-I濃度を測定し、本剤の減量、投与中止等適切な処置をとること。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

一部改訂

改訂内容

〈プラダー・ウィリ症候群における体組成異常及び骨端線閉鎖を伴わない低身長〉
高度な肥満、呼吸器障害又は睡眠時無呼吸の既往、呼吸器感染の要因をもつプラダー・ウィリ症候群の小児患者において、本剤投与に伴う死亡例が報告されている。また、これら要因をもつ男性患者ではさらに危険性が高まる可能性がある。
従って、高度な肥満又は重篤な呼吸器障害のある小児患者には投与しないこと。
また、成人も含め以下の点に注意すること。
・投与に際し、上気道閉塞がないことを確認すること。本剤投与中に上気道閉塞の徴候(いびきの発現又は増加等も含む)を示した場合は、本剤の投与を中止すること。
・睡眠時無呼吸の有無を確認し、睡眠時無呼吸が疑われる場合は観察を十分に行うこと。
・患者が効果的な体重管理を行っていることを確認すること。
・呼吸器感染の徴候の有無を十分に観察し、感染症に対する適切な処置を行うこと。

小児では、脊柱変形(側弯)が過度に進行するおそれがあるので、本剤投与中は理学的検査及びX線検査等を定期的に実施し観察を十分に行うこと。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

追記

改訂内容

成人では、血清IGF-I値が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施すること。

成人では、本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-I濃度に影響を及ぼすことがあるため、慎重に血清IGF-I濃度をモニタリングすること。

本疾患の治療に精通した医師(内分泌専門医等)あるいはその指導のもとで治療を行うこと。

改訂箇所

[10.2併用注意]

一部改訂

改訂内容

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
経口エストロゲン 成長ホルモンの作用が抑制されることがある。成人では本剤の増量を検討すること。 エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

一部改訂

改訂内容

〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症、骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長(ターナー症候群、慢性腎不全)、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症、プラダー・ウィリ症候群における体組成異常(小児)及び骨端線閉鎖を伴わない低身長

発現部位 副 作 用
精神神経系 頭痛、攻撃性、感覚鈍麻
その他 アデノイド肥大、いぼ、脱毛、扁桃肥大、喘息・気管支炎、鼻膿瘍、頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心及び嘔吐、いびき

<参考> 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂

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