DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2023年4月 No.316

デクスメデトミジン塩酸塩(小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静の効能を有する製剤)

  • 112 催眠鎮静剤、抗不安剤

改訂箇所

[1.警告]

一部改訂

改訂内容

本剤の投与により低血圧、高血圧、徐脈、心室細動等があらわれ、心停止にいたるおそれがある。したがって、本剤は、患者の呼吸状態、循環動態等の全身状態を注意深く継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設で、本剤の薬理作用を正しく理解し、集中治療又は非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師のみが使用すること。また、小児への投与に際しては、小児の集中治療又は非挿管下での鎮静
に習熟した医師が使用すること。

改訂箇所

[5.効能又は効果に関連する注意]

追記

改訂内容

〈小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静〉
鎮痛又は局所麻酔を必要とする処置及び検査に対する有効性及び安全性は確立されていない。

改訂箇所

[6.用法及び用量]

追記

改訂内容

〈小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静〉
通常、2歳以上の小児には、デクスメデトミジンを12μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて維持量として1.5μg/kg/時で持続注入する(維持投与)。
通常、1ヵ月以上2歳未満の小児には、デクスメデトミジンを9μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて維持量として1.5μg/kg/時で持続注入する(維持投与)。
なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。

改訂箇所

[7.用法及び用量に関連する注意]

追記

改訂内容

〈小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静〉
本剤の初期負荷投与中に一過性の血圧上昇があらわれた場合には、初期負荷投与速度の減速等を考慮すること。本剤の末梢血管収縮作用により一過性の血圧上昇があらわれることがある。

改訂箇所

[8.重要な基本的注意]

追記

改訂内容

〈小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静〉
本剤の投与に際しては小児の非挿管下での鎮静における患者管理に熟練した医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるよう準備をしておくこと。

処置・検査を行う医療従事者とは別に、意識状態、呼吸状態、循環動態等の全身状態を観察できる医療従事者をおいて、経皮的動脈血酸素飽和度、呼吸数、心拍数(脈拍数)、血圧、心電図をモニタリングすることに加え、可能であれば呼気終末二酸化炭素濃度もモニタリングするなど、十分に注意して、処置・検査中の患者を観察すること。

本剤投与開始後に目標とする鎮静レベルに達しない又は鎮静レベルに達した後の効果減弱により、他の鎮静剤を追加投与する場合は、鎮静作用、循環動態及び呼吸状態への作用が増強し、副作用があらわれやすくなるおそれがあるため、患者の全身状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。

小児では本剤投与後に激越及び覚醒時せん妄が認められており、また、覚醒が遅延する可能性があるため、全身状態に注意し、処置・検査後は患者が回復するまで管理下に置くこと。

改訂箇所

[9.7小児等]

一部改訂

改訂内容

〈集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静〉
小児への投与に際しては、小児の集中治療に習熟した医師が使用すること。小児では成人よりも低血圧、徐脈、呼吸抑制、嘔吐、悪心、激越及び発熱の有害事象が高頻度に認められた。特に心拍出量が心拍数に依存している低年齢の小児では徐脈の影響が大きいため、より注意深く観察し、慎重に投与すること。

改訂箇所

[9.7小児等]

一部改訂

改訂内容

小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静〉
低出生体重児及び新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

改訂箇所

[9.7小児等]

追記

改訂内容

小児への投与に際しては、小児の非挿管下での鎮静に習熟した医師が使用すること。小児では成人よりも高血圧、徐脈、徐呼吸及び低酸素症の有害事象が高頻度に認められた。特に心拍出量が心拍数に依存している低年齢の小児では徐脈の影響が大きいため、より注意深く観察し、慎重に投与すること。

改訂箇所

[11.2その他の副作用]

一部改訂

改訂内容

発現部位 副 作 用
循環器 心房細動、頻脈、末梢性虚血、血管障害、血圧変動、心不全、心電図異常、特異的心電図異常、高血圧悪化、心筋梗塞、不整脈、心室性不整脈、期外収縮、上室性頻脈、心室性頻脈、脳出血、血管拡張、脳血管障害、血管痙攣、循環不全、チアノーゼ、心疾患、狭心症、心筋虚血、心房性不整脈、AVブロック、脚ブロック、心ブロック、T波逆転、上室性不整脈、心電図QT延長、洞性不整脈

<参考> 効能又は効果、用法及び用量追加承認に伴う改訂

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