DRUG STAFETY UPDATE - 医薬品安全対策情報 -

2023年3月 No.315

ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩

  • 625 抗ウイルス剤

改訂箇所

[9.5妊婦]

一部改訂

改訂内容

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
海外の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が、受胎前からドルテグラビル含有製剤を服用していた妊婦から生まれた児3591例中7例(0.19%、95%信頼区間0.09-0.40)に報告されており、ドルテグラビルを含まない抗HIV薬を服用していた妊婦から生まれた児19361例中21例(0.11%、95%信頼区間0.07-0.17)、HIV陰性の妊婦から生まれた児119630例中87例(0.07%、95%信頼区間0.06-0.09)に報告されている。
ドルテグラビルはヒト胎盤を通過する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する胎児臍帯血漿中濃度の比(中央値[範囲])は、1.28[1.21-1.28]であることが報告されている(外国人データ)。
妊娠中期及び妊娠後期の妊婦にリルピビリンを投与した時、出産後と比較し、リルピビリンの血中濃度低下が認められている。

改訂箇所

[9.6授乳婦]

一部改訂

改訂内容

授乳を避けさせること。一般に、乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳をすべきでない。
ドルテグラビルはヒト乳汁中に移行する。ドルテグラビルの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比(中央値[範囲])は、0.033[0.021-0.050]であることが報告されている(外国人データ)。
リルピビリンはヒトの乳汁中に移行するか否かは不明である。リルピビリン動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

改訂箇所

[10.1併用禁忌]

削除

改訂内容

アプテシン
 

改訂箇所

[10.2併用注意]

削除

改訂内容

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エファビレンツ、エトラビリン、ネビラピン ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度を低下させる可能性がある。 これらの薬剤のCYP3A4及びUGT1A1誘導作用により、ドルテグラビルの代謝が促進される。また、これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
ホスアンプレナビルカルシウム水和物+リトナビル ドルテグラビルの血中濃度を低下させる。また、リルピビリンの血中濃度が上昇する可能性がある。 ホスアンプレナビルのCYP3A4及びUGT1A1誘導作用により、ドルテグラビルの代謝が促進される。また、ホスアンプレナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
ダルナビルエタノール付加物+リトナビル ダルナビル800mg+リトナビル100mgを1日1回併用した時、リルピビリンのCmax及びAUCがそれぞれ79%及び130%増加した。 ダルナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
ロピナビル・リトナビル ロピナビル400mg・リトナビル100mgを1日2回併用した時、リルピビリンのCmax及びAUCがそれぞれ29%及び52%増加した。 ロピナビル・リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。

<参考> Dickinson,L.,et al.:Clin.Infect.Dis. 2021;73:e1200-e1207

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