A型ボツリヌス毒素(薬価収載品)
- 122 骨格筋弛緩剤
改訂箇所
[1.警告] |
一部改訂 |
改訂内容
〈効能共通〉
本剤の有効成分は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素であるため、使用上の注意を熟読した上で、用法及び用量を厳守し、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱以外には使用しないこと。ミオクローヌス性ジストニーの患者で、本剤による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告がある。
〈痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、痙攣性発声障害〉
講習を受けた医師で、本剤の安全性及び有効性を十分理解し、高度な解剖学的知識、筋電図測定技術及び本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行うこと。
本剤による治療中に因果関係を完全に否定できない死亡例の報告がある。痙性斜頸、上肢痙縮、痙攣性発声障害患者では、特に呼吸障害、嚥下障害等頸部関連筋に関する副作用があらわれるおそれがある。
改訂箇所
[5.効能又は効果に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈上肢痙縮、下肢痙縮〉
本剤は理学療法、作業療法等の標準的治療の代替とはならないため、これらの治療と併用して使用すること。
本剤は非可逆的拘縮状態となった関節の可動域の改善に対しては効果を有しない。
痙縮の原因となる疾患の診断及び治療を併せて行うこと。
改訂箇所
[6.用法及び用量] |
追記 |
改訂内容
〈上肢痙縮〉
〈小児〉
通常、2歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計3~6単位/kgを分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は6単位/kgと200単位のいずれも超えないこととし、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。
※緊張筋:上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋等
〈下肢痙縮〉
〈小児〉
通常、2歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計4~8単位/kgを分割して筋肉内注射する。1回あたりの投与量は、一側下肢への投与で8単位/kgと300単位、両下肢への投与で10単位/kgと340単位のいずれも超えないこととし、対象となる緊張筋の種類や数により、必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。
※緊張筋:腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋等
改訂箇所
[6.用法及び用量] |
削除 |
改訂内容
〈2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足〉
通常、2歳以上の小児にはA型ボツリヌス毒素として4単位/kgを、罹患している腓腹筋の内側頭・外側頭の各々2ヵ所に筋肉内注射する。両下肢に投与する場合は、4単位/kgを両肢に分割して投与する。初回投与以後、効果不十分な場合にはヒラメ筋、後脛骨筋等へ投与することができる。なお、症状に応じて適宜増減することができる。ただし、1回の総投与量は200単位を超えないこととし、再投与は前回の効果が消失した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈効能共通〉
複数の適応に本剤を同時投与する場合には、それぞれの効能又は効果で規定されている投与量の上限及び投与間隔を厳守するとともに、12週間のA型ボツリヌス毒素の累積投与量として以下の用量を上限とすること。
・成人の上肢痙縮及び下肢痙縮に対する同時投与:合計600単位を上限とし、患者の状態に応じて徐々に増量する等、慎重に投与すること。
・小児の上肢痙縮及び下肢痙縮に対する同時投与:合計10単位/kgと340単位のいずれも超えないこと。
・その他の複数の適応に対する同時投与:安全性が確立されていないため、複数の適応に本剤を同時に投与しないことが望ましい。やむを得ず同時に投与する場合、成人では合計400単位を上限とし、小児では合計10単位/kgと340単位のいずれも超えないこと。
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
追記 |
改訂内容
〈上肢痙縮〉
筋ごとの適切な部位及び投与量に留意すること。臨床成績等から、以下のような投与筋、 投与量及び投与部位数が推奨されている。
〈小児〉
投与筋 | 投与量(単位/kg) | 投与部位数(部位) |
上腕二頭筋 | 1.5~3.0 | 4 |
上腕筋 | 1.0~2.0 | 2 |
腕橈骨筋 | 0.5~1.0 | 2 |
橈側手根屈筋 | 1.0~2.0 | 2 |
尺側手根屈筋 | 1.0~2.0 | 2 |
深指屈筋 | 0.5~1.0 | 2 |
浅指屈筋 | 0.5~1.0 | 2 |
〈下肢痙縮〉
筋ごとの適切な部位及び投与量に留意すること。臨床成績等から、以下のような投与筋、 投与量及び投与部位数が推奨されている。
〈小児〉
投与筋 | 投与量(単位/kg) | 投与部位数(部位) |
腓腹筋(内側頭) | 1.0~2.0 | 2 |
腓腹筋(外側頭) | 1.0~2.0 | 2 |
ヒラメ筋 | 1.0~2.0 | 2 |
後脛骨筋 | 1.0~2.0 | 2 |
改訂箇所
[7.用法及び用量に関連する注意] |
削除 |
改訂内容
〈2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足〉
緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーター等を用いて注意深く目標とする部位を同定すること。
筋ごとの適切な部位及び投与量に留意し、注射する。
改訂箇所
[8.重要な基本的注意] |
一部改訂 |
改訂内容
〈効能共通〉
本剤は眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、重度の原発性腋窩多汗症、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱の適応のみに使用する製剤のため、眉間又は目尻の表情皺に対しては、ボトックスビスタ注用50単位を用いること。これら以外の適応には安全性が確立していないので絶対使用しないこと。
本剤の投与は対症療法であり、その効果は、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、痙攣性発声障害では通常3~4ヵ月、重度の原発性腋窩多汗症では通常4~9ヵ月、過活動膀胱では通常4~8ヵ月、神経因性膀胱では通常8~11ヵ月で消失し、投与を繰り返す必要がある。
妊娠する可能性のある女性は、本剤投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは適切な方法で避妊する必要がある。
男性は、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要がある。
改訂箇所
[9.4生殖能を有する者] |
一部改訂 |
改訂内容
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
男性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。精子形成期間に投与されることを避けるため。
改訂箇所
[9.7小児等] |
一部改訂 |
改訂内容
2歳以上の上肢痙縮・下肢痙縮、及び12歳以上の斜視を除く適応では、小児を対象とする有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
改訂箇所
[11.2その他の副作用] |
一部改訂 |
改訂内容
発現部位 | 副 作 用 |
注射部位 | 注射部出血斑、注射部腫脹、注射部疼痛、近隣筋の疼痛及び緊張亢進、注射部ひきつり感、注射部熱感、注射部不快感、注射部感染、注射部位過敏反応、注射部位紅斑、気胸 |
改訂箇所
[14.適用上の注意] |
一部改訂 |
改訂内容
[薬剤投与時の注意]
投与部位:
〈眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、斜視、痙攣性発声障害、過活動膀胱、神経因性膀胱〉
用法及び用量に示すとおり、適用部位の筋肉内にのみ注射すること。特に、眼輪筋切除術施行後の患者に投与する場合は、より正確に目標とする部位を同定するため、必ず筋電計を用いて筋活動電位を確認すること。
<参考> | 用法及び用量追加承認に伴う改訂 企業報告 |
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